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教員コラム

文学部 社会福祉学科 / 濵﨑 裕子

地域福祉とまちづくり
濵﨑 裕子

「福祉」と聞くと高齢者の介護や障害をもつ人の支援を思い浮かべる方が多いと思います。実際にそれらは歴史的に見ても社会福祉の中心的分野です。
私の担当している「地域福祉」は、それらの分野別/対象者別福祉ではなく、地域を基盤にそこに暮らす人々の生活課題を解決するために、総合的な視点で福祉活動をしていくものです。
ですから、援助の対象となる人も、その人を援助していくのも地域住民です。ただ、その時に福祉活動が上手くいくように専門的な知識と技術をもって
サポートしていくのがソーシャルワーカー(社会福祉士)や福祉の専門職です。


近年、地域社会で起こるいろいろなことが哀しい事件となって報道されています。いじめ、引きこもり、孤独死、自殺、ホームレス、児童や高齢者の虐待など。このような問題は経済成長を求めて効率性に価値をおく一方で、家族や近所の人とのつながりを失っていったことが、経済の低迷による生活困難と重なって起こっていると考えられます。
そしてこのような社会状況を改善し、地域で暮らす人々の生活課題を解決していくことが「地域福祉」のテーマです。
「福祉」とは人々が幸せに生きることです。「まちづくり」は、住んでいる地域が活気のあるまちになるように住民が協力して活動していくことです。「地域福祉」とはその「まちづくり」について、住民が心の内から元気になるように協働していく社会のしくみを作り、そこに暮らす人々が安心して幸せな生活をするように実践することです。
そこでのソーシャルワーカーの役割は、単に困っている人を支援するというよりも、人と人とのつながりを作りながら、まち全体が福祉力を高めていくようにコーディネートしていくことです。


福祉活動推進の実践力をつけるためには、大学で地域福祉の理論を学ぶだけでなく、地域に出かけていき、地域住民と直に交流することも大切です。大学生が多世代の地域住民と一緒に活動し、福祉の視点でまちづくりに関わっていくことが、学生の人間教育やソーシャルワーカーの育成に大切であると考えています。